藤間蘭黄  日本舞踊の世界

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はじめました

リサイタルに向け、ブログを始めました。
日々のたわごとをお聞き下さい。

と、いうわけで初ブログ。
まずは、今のお稽古。
来月10日に早稲田演劇博物館の催しで、「鉢かづき」を上演する。
お伽草子の「鉢かつぎ姫」の舞踊化で、坪内逍遥が作ったものである。
そして、その稽古。
実はこの演目は、あまり上演されることがなく、
我が家でも平成2年以来、じつに17年ぶりの上演である。
なので、衣裳、鬘のスタッフさんたちも記憶の彼方のようで、
古い写真など見ながら再現しなくてはならない。
踊りも、記憶やビデオを頼りに、振りを起こした。
こんなことをするたび、
私を踊りやさんとして育ててくれた祖母を思い出す。
祖母の時代には勿論ビデオもなく、
と言うか、テープレコーダーすらなく、
音楽は、三味線の弾き語り、踊りはすべて記憶のみで、
こうしためったに上演しない演目も大切に覚えていた。
私は常々その記憶力に圧倒されていたが、
今日、その秘密を少し垣間見たような気がする。
それは、鬘合わせの時。
鬘屋さんが、「大先生(祖母のこと)はこうした珍しい演目は10年に一度は必ず上演してくれていた。だから我々かつらやも覚えていたンですがね…」と言ったのだ。
人間の記憶は繰り返すことによって保たれると聞いたことがある。
それが10年に1回の上演だった。
10年前なら、スタッフもおどりやも何とか覚えている。
なるほどと思った。
が、思わぬオチがあった。
鬘屋さんは続けてこう言ったのだ。
「私らがもう10年前ですよって言うと、大先生は、えっ!?10年??ついこないだだと思ってた、って言うの。まいっちゃうよね」
やっぱり明治生まれの記憶力は侮れない。
 

# by rankoh-f | 2007-09-21 00:14