藤間蘭黄  日本舞踊の世界

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パ・ド・カトル

本日、華扇会の一日目の出演が終わった。

思った以上に疲れている…

今回は西川箕乃助師振付の大和楽「お祭り」。
メンバーは若柳壽延師、西川箕乃助師、花柳錦之輔師に私の4人。
今回で7年目のパ・ド・カトルである。
で、この作品は9分。
この位だとお客さんに「もう少し観たい」と思ってもらい易い。
が、ここには思わぬ落とし穴が。
それはこの9分間、全く気が抜けないのである。
例えばこれが20分程度のものであれば、
当然、仕抜き(一人ひとりのソロの部分)があり、
その間、踊らない人は少し待つ事も出来(勿論、気を抜くわけではないが)、
また、最初に何か上手く行かない事があっても(勿論、あってはならないことだが)、
どこかで取り返せるのである。
丁度長距離ランナーがペース配分をするように、
緩急を付けられる。
ところが、9分間となるとそうはいかない。
全くの全力疾走である。
緊張して集中することはたとえ1時間半でも出来る。
しかし、9分間の全力疾走は、カールルイス(古いっ!)並み。

通常の演目以上に疲労するのである。

…明日、もう一度。

頑張って全力疾走あるのみなのだ!R
# by rankoh-f | 2007-09-27 22:53

ワイン片手に。

早稲田の「鉢かづき」の稽古も佳境になってきた。
お伽草子の日本舞踊化というと、ともすると幼稚っぽいと思われるが、
そこはさすがに坪内逍遥先生。深い文学性と高い芸術性を兼ね備えた作詞で、
二代目家元(藤間勘右衞門)の振付も練られらものである。
つまりは埋もれた名作。
この名作の素晴らしさを堪能しつつ、
それを観客の皆様に伝えなくてはいけなという使命感、
責任感に押しつぶされそうになりながら格闘して居る。

この作品のキーパーソンは太郎冠者と次郎冠者。
二人は、心中しようとした宰相の君と鉢かづきを探しに、松明片手にやってくる。
途中で誤って松明を消してしまい、折から月も雲に隠れ、
闇の中でお互いを山賊と思って逃げ惑う、といったおかしみの振りがついている。
これをいかに面白く見せるかがこの演目の眼目のひとつなのだ。
今回は、この役を、明日の藤間を担う若手が演じる。
彼らはとても真面目で、とてもよく私の言う事を聞いて、頑張ってくれる。
が、この種の面白さはただ「頑張って」出来るものではない(勿論、頑張らなくては出来ようもないが)。
ある意味で、その場の空気を支配する力がなくては、面白く出来ない。
その「力」は踊り手個々の力ばかりではなく、
作詞、作曲、振付など作品全体の力でもあると思う。
さすれば、
作詞、作曲、振付に充分な力のあるこの「鉢かづき」なら、
あと少しの舞踊力で面白くなると思うのだが…

10月10日の本番に向け、とにかく稽古あるのみ!R
# by rankoh-f | 2007-09-25 23:56

テレビです

話題の(?)祖母がテレビに出ます。
明日9月22日13時からNHK教育放送の「芸能花舞台」です。
「伝説の至芸 藤間藤子」というタイトルで、
代表作といえる「景清(かげきよ)」を放送します。
また、母蘭景も出演し、思い出話をします。
これは、先月スタジオ撮りしたもので、
古いプライベートフォトなども放送されるようです。 R
# by rankoh-f | 2007-09-21 19:43

はじめました

リサイタルに向け、ブログを始めました。
日々のたわごとをお聞き下さい。

と、いうわけで初ブログ。
まずは、今のお稽古。
来月10日に早稲田演劇博物館の催しで、「鉢かづき」を上演する。
お伽草子の「鉢かつぎ姫」の舞踊化で、坪内逍遥が作ったものである。
そして、その稽古。
実はこの演目は、あまり上演されることがなく、
我が家でも平成2年以来、じつに17年ぶりの上演である。
なので、衣裳、鬘のスタッフさんたちも記憶の彼方のようで、
古い写真など見ながら再現しなくてはならない。
踊りも、記憶やビデオを頼りに、振りを起こした。
こんなことをするたび、
私を踊りやさんとして育ててくれた祖母を思い出す。
祖母の時代には勿論ビデオもなく、
と言うか、テープレコーダーすらなく、
音楽は、三味線の弾き語り、踊りはすべて記憶のみで、
こうしためったに上演しない演目も大切に覚えていた。
私は常々その記憶力に圧倒されていたが、
今日、その秘密を少し垣間見たような気がする。
それは、鬘合わせの時。
鬘屋さんが、「大先生(祖母のこと)はこうした珍しい演目は10年に一度は必ず上演してくれていた。だから我々かつらやも覚えていたンですがね…」と言ったのだ。
人間の記憶は繰り返すことによって保たれると聞いたことがある。
それが10年に1回の上演だった。
10年前なら、スタッフもおどりやも何とか覚えている。
なるほどと思った。
が、思わぬオチがあった。
鬘屋さんは続けてこう言ったのだ。
「私らがもう10年前ですよって言うと、大先生は、えっ!?10年??ついこないだだと思ってた、って言うの。まいっちゃうよね」
やっぱり明治生まれの記憶力は侮れない。
 

# by rankoh-f | 2007-09-21 00:14