藤間蘭黄  日本舞踊の世界

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無事終了!

去る10月20日、20回目のリサイタルを無事に終えることが出来ました。
おいで頂いたすべてのお客様に感謝申し上げます。

20回…支えて下さった門弟の方々、有難うございました。
支えて下さったスタッフの方々、有難うございました。
ご教示頂いた方々、有難うございました。

厳しく、温かく見守ってくれるすべての方々に支えられての20回。
心より御礼申し上げます。R
# by rankoh-f | 2014-10-22 00:05

『山姥』

山姥は山に棲む鬼女。
この山姥と、足柄山の怪童丸(=金太郎)伝説とを結びつけた
近松門左衛門の『嫗山姥(こもちやまんば)』。
この戯曲を基に様々な「山姥もの」が誕生した。

清元の『山姥』は、山姥が棲む深山の四季の風景描写を主体にしながらも色気のある曲。
後半には山姥が昔をしのぶようにも思われる鄙歌を配し、変化をもたせている。
文政六年(1823)初演。本名題を『月花茲友鳥(つきとはなここにともどり)』という。
この清元の『山姥』には地歌や荻江、常磐津や長唄(四季の山姥)にはない特徴がある。

それは花。
花や植物の名前が多く詠みこまれている。
梅、桃、桜、柳などは常磐津の『新山姥』や長唄の『四季の山姥』の中にも出てくるが、清元の『山姥』にはさらに多くの花名が出てくる。
蕨、山吹、卯の花、花かつみ、あやめ、菖蒲、杜若、荵、小萩、苅萱、紫苑、朝顔、菊、松、立花…
まるで植物図鑑のよう。
これらの花々で四季の移ろいが描かれる。
その描かれ方が誠に叙情的である。

梅が「笑う」のは花がほころびる比喩。
早春の野に出る蕨の芽は「早蕨」で、源氏物語第四十八巻の巻名にも。
手を引いて春の山に来れば儚く散る「仇桜」は親鸞聖人の言葉「明日ありと思う心の仇桜」を想起させる。
また「伏猪(臥猪)の床」は古来、萩を指し、そこに菊を重ねて秋が深まる様を巧みに見せている。

こうした歌詞に、人々が生きている様が「振り」として織り込まれる。

梅は擬人化され同朋の微笑みとなり、手を引くのは恋人となる。
そうした中にも花鳥を表す擬態の振りが盛り込まれる。
また「夕立」では、雨をよける振りだけでなく、扇を払って、音を立てる。
黒塀にさっと雨がかかる様である。
「雁が届け」た玉章(手紙)の「返事」はふと考えて、思いつく。
そうしたしぐさがすべて踊りになる。
そして、後半の見せ場、「おらが嫁入ってナ…」の鄙歌のくだり。
ここでは一転、山「姥」=老女が強調される。
遥か昔の嫁入りを思い出し、歳長く連れ添い、今は夫婦が茶飲み友達となった、という、
特定の誰でもない一老女の様子を表出する。
更に「我は子ゆえ」と息子の金太郎を匂わせることにより山姥へ戻り、
最後は「室咲き」からもとの「花を尋ねて山めぐり」となる。
子供をあやして、次の瞬間には花を眺める。
曲の運びも振付も誠に巧みである。R
>10月20日、第20回「蘭黄の会」まだ空席があります。
午後7時開演、8時15分には終演の予定です。是非ご覧ください。

# by rankoh-f | 2014-10-06 12:12 | 一言解説

保名

「安倍保名」
清元『保名』の主人公。
あの陰陽師、安倍晴明の父と言われている伝説上の人物である。
この保名は、許嫁で恋人の「榊の前」が自害したことにより気が狂ってさまよい歩く。

保名はやがて榊の前の瓜二つの妹、葛の葉姫に出会って正気を取り戻す。
そして狩りで追われてきた白狐を救うものの、追ってきた敵に打ちのめされる。
そこに現れた葛の葉姫に助けられ、故郷の阿倍野に帰り、葛の葉と夫婦になる。
そして生まれた子供が安倍童子。
ところが、この女房の葛の葉は、実は保名に助けられた狐の化身。
保名の危急を救うべく葛の葉姫に化けた。
6年後、本物の葛の葉姫が保名のもとへ訪ねてくると、
子供を置いて泣く泣く故郷の信太の森へ帰ってゆく。
この残された童子がのちの清明であるという。

「葛の葉」伝説をもとに出来た、人形浄瑠璃や歌舞伎の『芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)』のあらすじ。

陰陽師、安倍晴明の常人ならざる力の理由付けとして、
霊力のある動物との「人獣婚」伝説をうまく利用したのであろう。

清元の『保名』は『芦屋道満大内鑑』二段目の「小袖物狂の段」をもとに作られた。
目の前で恋人が自殺して気が狂ってしまった男。
10年ぶりの挑戦である。R
# by rankoh-f | 2014-09-23 23:23

リサイタル!

10月20日に20回目のリサイタルを開催する。
今回は古典を2題。
初心に帰って真摯に勤めたい。R
是非ご覧ください。
チラシが出来ました。
# by rankoh-f | 2014-09-06 07:18

紫紅会

5月25日、藤間藤子17回忌追善「紫紅会」公演

蘭黄が踊る『しのぶ舞袖』は、藤子の母、藤間勘八の追善のために藤子の振付で作られた。
今回は藤子を偲び、新たな振り付けにより上演する。

もう一つ演目、『風の法師』は、昭和59年の紫紅会に書き下ろされた作品。
「すたすた坊主」を題材にしている。
「すたすた坊主」は、江戸時代の大道芸人の願人坊主として、
『浮かれ坊主』や『まかしょ』といった古典作品にも描かれている。
若いすたすた坊主が、旅を重ねながら江戸へ下る道中の哀歓を描いた作品。
初演以来、藤子自身で何度か再演を重ねている。
そして藤子他界の平成10年に、蘭黄も自身のリサイタルで初演。今回はそれ以来の上演となる。
16年の積み重ねがどのように滲み出せるのか。
挑戦である。R

ご多忙のところ恐れ入りますが、何卒ご来駕いただき、宜しくご高覧賜りますよう、ご案内申し上げます。
# by rankoh-f | 2014-05-13 09:59 | 一言解説