藤間蘭黄  日本舞踊の世界

rankoh.exblog.jp

八島

今日、「紫紅会」の下浚い(衣裳、音楽付きリハーサル)が無事終わった。

今回踊るもう一つの演目「八島」について。

能楽の「八島」を題材にした地歌の「八島」を明治12年に4代目荻江露友が荻江節に直した曲。

西国を行脚する旅の僧が、讃岐の八島(屋島)に来かかり、一夜の宿を頼むと、そこへ源義経の亡霊が現れ、源平合戦の模様を語る、という筋である。

瀬戸内海の長閑な夕暮れの描写から始まり、
やがて眠りについた僧の周りに鬨の声、馬の嘶きが聞こえてくる。

ふと見るとそこは戦場。

馬に乗る武将、長刀や刀で戦う士。
やがて義経が現れ、「今日の戦の相手、能登守教経は、壇ノ浦でも戦ったので手並みは知っている」と、
戦の様子を語る。
激しい戦いで討ち合い、あるいは刺し違えて死んでゆく兵士たち。

ふと気付くと夜明けとなり、敵に見えたのは鴎の群れ、鬨の声と聞こえたのは高松の浦風だった…
という物語。R
by rankoh-f | 2009-05-21 23:44 | 一言解説