藤間蘭黄  日本舞踊の世界

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北州

いよいよ明日は「紫紅会」。

明日の序幕に踊る「北州」は、代表的な「ご祝儀物」の素踊り。

ちなみに…

北州とは吉原の遊里のこと。江戸の北にあるのでこう言った。

焼失した吉原の復興がなったのを祝うため、
文化15年(1818)に、狂歌師太田蜀山人(しょくざんじん)が吉原と清元の繁栄を願う歌詞を作り、
これに清元お直が手付した曲。お直は、元、吉原の芸妓で、当時は橋場の料亭「川口」の女将を勤めていた。
同じお直作曲と伝えられる「梅の春」とともに、清元のご祝儀物の代表曲といわれている。

内容は、正月から歳の市まで吉原の四季折々の年中行事を綴ったもの。

正月気分で「初登楼」するお客、松の位の太夫の花魁道中、桜に浮かれるぞめき客、
お客を口説く遊女、八月一日の白無垢、新造、禿、廓の男衆、酉の市の人々、
お供を連れた侍客、吉原通いの客を乗せる馬方、年の市の物売り、
手毬をついたり、羽根つきをする若い遊女など…
十数人の登場人物を踊り分ける。

鮮やかな「踊り分け」が眼目である。R
by rankoh-f | 2009-05-23 23:24 | 一言解説