2010年 02月 12日
関の扉2
2週間ぶりに続きが書けた。
ここからが下の巻である。
小町の後を見送る宗貞のところへ、酔った関兵衛が現れる。
宗貞は、関兵衛が落とした宝印が気になり、関兵衛の懐を探るものの、
関兵衛は寄せ付けず酔って倒れ伏す。
その様子を伺いながら宗貞は奥へ入る。
一人残った関兵衛が尚も飲もうと、持ってきた大杯に酒を満たすと、
そこに星が映る。時刻は寅の一点。明け方4時。
いまここで、樹齢300年余りの桜の古木を伐って護摩を焚き、
世を乱す邪神「斑足太子の塚の神」に祈ると、
クーデターが成就する。と、
大鉞(まさかり)を持ち出し、石で砥ぐ。
切れ味を試そうと、宗貞の琴を斬ると、その下から血染めの片袖が。
それは最前、安貞の片袖を宗貞が隠し置いたもの。
不審に思い拾い上げると、盗み持っていた宝印が関兵衛の懐から桜の木へ飛び去る。
いよいよ怪しいと、桜に斬りかかるが気絶してしまう。
そこへ登場するのが墨染桜(小町桜)の精。
関兵衛が血染めの片袖を手にしたことによって、
彼が夫安貞の敵とわかった墨染桜が、恨みを晴らそうと現れたのだった。
目を覚ました関兵衛に、自分は撞木町(遊郭)から来た墨染という名の遊女で、
「見ぬ恋にあこがれ、雪をも厭わず遥々」やってきた、と言う。
なにかあると思いながらも、わざと騙される関兵衛。
そこで「廓話(くるわばなし)」が始まる。
雪の逢坂山で、いきなり撞木町の遊郭の話を始めるのである。
天蓋を差しかける花魁道中に始まり、
行きつ戻りつする客、
自分の打掛に隠して間夫(まぶ=遊女の恋人)を部屋に引き入れる遊女。
ホッとして酒を飲み、同衾するが、
蒲団が暖かいのを、さっき帰った客か、新しい彼が出来たかと疑い、
痴話喧嘩となる。
帰る、帰さぬのやり取りのうち、
関兵衛が血染めの片袖を落とすと、それを拾って思わず泣き伏す墨染。
不審に思った関兵衛が問いただすと、
墨染は、他の女と取り交わした起請文(恋の誓いの証文)じゃないか、
と、とっさにごまかす。
不審に思いながらも墨染の言葉に乗る関兵衛。
ここから、恋の争いに見立てた墨染の恨み言(クドキ)が始まる。
いよいよ激しく攻め立てられて、関兵衛は、
さっきから、痴話喧嘩にことよせて、自分を恨み、
「その片袖に心を寄せる怪しい女」に、事情を話せ、と問い詰める。
墨染も開き直り、「この片袖は夫の血汐」と言い、
さっき手に入れた宝印も持っているからには、企みがあるだろう、
本名を明かして正体を現せ、と逆に詰め寄る。
こうなったからにはもう隠してはいない、とばかりに、
関兵衛は、自分は「天下を望む大伴黒主」であると、正体を現す。
大鉞を持ち出して、自分を恨むお前は何者だ!と問う黒主。
墨染は自分は人間に見せているが実は、
安貞と契りを交わした桜の精である、と正体を明かし、
夫ばかりか自分の桜まで傷つけようとする恨みを晴らそうと、
桜の枝を取って黒主と戦う。
銀世界の雪景色の中、満開の桜の下で、繰り広げられる
大スペクタクルである。R
ここからが下の巻である。
小町の後を見送る宗貞のところへ、酔った関兵衛が現れる。
宗貞は、関兵衛が落とした宝印が気になり、関兵衛の懐を探るものの、
関兵衛は寄せ付けず酔って倒れ伏す。
その様子を伺いながら宗貞は奥へ入る。
一人残った関兵衛が尚も飲もうと、持ってきた大杯に酒を満たすと、
そこに星が映る。時刻は寅の一点。明け方4時。
いまここで、樹齢300年余りの桜の古木を伐って護摩を焚き、
世を乱す邪神「斑足太子の塚の神」に祈ると、
クーデターが成就する。と、
大鉞(まさかり)を持ち出し、石で砥ぐ。
切れ味を試そうと、宗貞の琴を斬ると、その下から血染めの片袖が。
それは最前、安貞の片袖を宗貞が隠し置いたもの。
不審に思い拾い上げると、盗み持っていた宝印が関兵衛の懐から桜の木へ飛び去る。
いよいよ怪しいと、桜に斬りかかるが気絶してしまう。
そこへ登場するのが墨染桜(小町桜)の精。
関兵衛が血染めの片袖を手にしたことによって、
彼が夫安貞の敵とわかった墨染桜が、恨みを晴らそうと現れたのだった。
目を覚ました関兵衛に、自分は撞木町(遊郭)から来た墨染という名の遊女で、
「見ぬ恋にあこがれ、雪をも厭わず遥々」やってきた、と言う。
なにかあると思いながらも、わざと騙される関兵衛。
そこで「廓話(くるわばなし)」が始まる。
雪の逢坂山で、いきなり撞木町の遊郭の話を始めるのである。
天蓋を差しかける花魁道中に始まり、
行きつ戻りつする客、
自分の打掛に隠して間夫(まぶ=遊女の恋人)を部屋に引き入れる遊女。
ホッとして酒を飲み、同衾するが、
蒲団が暖かいのを、さっき帰った客か、新しい彼が出来たかと疑い、
痴話喧嘩となる。
帰る、帰さぬのやり取りのうち、
関兵衛が血染めの片袖を落とすと、それを拾って思わず泣き伏す墨染。
不審に思った関兵衛が問いただすと、
墨染は、他の女と取り交わした起請文(恋の誓いの証文)じゃないか、
と、とっさにごまかす。
不審に思いながらも墨染の言葉に乗る関兵衛。
ここから、恋の争いに見立てた墨染の恨み言(クドキ)が始まる。
いよいよ激しく攻め立てられて、関兵衛は、
さっきから、痴話喧嘩にことよせて、自分を恨み、
「その片袖に心を寄せる怪しい女」に、事情を話せ、と問い詰める。
墨染も開き直り、「この片袖は夫の血汐」と言い、
さっき手に入れた宝印も持っているからには、企みがあるだろう、
本名を明かして正体を現せ、と逆に詰め寄る。
こうなったからにはもう隠してはいない、とばかりに、
関兵衛は、自分は「天下を望む大伴黒主」であると、正体を現す。
大鉞を持ち出して、自分を恨むお前は何者だ!と問う黒主。
墨染は自分は人間に見せているが実は、
安貞と契りを交わした桜の精である、と正体を明かし、
夫ばかりか自分の桜まで傷つけようとする恨みを晴らそうと、
桜の枝を取って黒主と戦う。
銀世界の雪景色の中、満開の桜の下で、繰り広げられる
大スペクタクルである。R
by rankoh-f
| 2010-02-12 13:06
| 一言解説