藤間蘭黄  日本舞踊の世界

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フラメンコ

日本のフラメンコ第一人者、小島章司師のスタジオに通った。
と、言ってもサパテアードやパルマを習った訳ではない。
歌舞伎俳優の中村梅玉丈の後援会、梅玉会で「フラメンコの夕べ」として、梅玉丈が小島師のフラメンコに共演する、そのための日本舞踊の振り付けを仰せつかったのである。

斯道の第一人者に胸を借りる思いで臨んだ。

打ち合わせ初日、小島師は早速踊りを見せて下さった。
スタジオに着いた時、迎えて下さった優しい笑顔が一転、生演奏に合わせて厳しい顔で足踏みする小島師の迫力に圧倒されながら、思わずのめり込んでしまった。
私が三拍子のリズムですね。と言うと、
師は、「いいえ。三拍子が二つに二拍子が三つで全てが決まっている」。
道理で拍子が取れない。
それから私もフリーハンドで動いてみる。
師も一緒に動いてお互いに動きの特徴を確認。
兎に角、私が振り付ける(梅玉丈が踊る)部分を決めて、ビデオと音を持ち帰る。

そして二回目。
今度は初日のビデオを見ながら、私も踊る。
小島師の鋭い動きを受ける日本舞踊のゆったりとした動きに始まり、それぞれのソロ。
中盤の見せ場、足拍子の踏み込みでは、いざ身体を動かしてみると、
難しいはずのリズムが、子供の頃から慣れ親しんだ日本舞踊の拍子にピタリとはまる。
その後、打ち合わせた二人の連動から、連れない連れ舞。
終盤再び各々のソロから一気に幕切れまで。
フラメンコの動に対する日本舞踊の静を強調した。

こうしてフラメンコと日本舞踊のコラボレーションによる初めての作品が生まれた。

本番では、小島師、梅玉丈とも力が入った演技で、会場を魅了していた。

私は、フラメンコの面白さに加えて、小島章司師の人柄にも触れることが出来た。R
by rankoh-f | 2008-01-30 22:47