藤間蘭黄  日本舞踊の世界

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解説 「連獅子」

日本舞踊はわかりにくい、という話を耳にする。

勿論、舞台芸術に解説は不要ということも言えるかもしれない。

しかし、知識とまで言えないような、ちょっとした情報でも、
あるとないでは面白さが格段に違ってくる。

そこで、思いつくまま
解説というには個人的で、
感想というよりはもうちょっと客観的なモノを書いてみようと思う。

あくまでも踊り手の視点で。

まずは、先日の「紫紅会」の演目。

「連獅子(れんじし)」

「紅白の長毛頭を被って、勇壮に毛振りを見せる姿は、歌舞伎舞踊を代表するもの」

「かぶきぶよう」などという言葉を知らなくても、
「紅や白の長い毛をぐるぐる回すやつ」と言うと、
かつて正月の芸能人かくし芸大会などで必ずと言って良いほど見られたシーンである。

この踊りには、「前ジテ」と呼ばれる部分が前半にある。

「手獅子(てじし)」という小さい獅子を持って出て、
獅子が住むという清涼山(せいりょうざん)の有様を踊り、
獅子が我が子を深い谷底へ落とし、駆け上がってくる勇猛心があるか試すという、
中国故事を語り、さらに、獅子が蝶に戯れる様子を見せる。

実はこの「前ジテ」の部分が「連獅子」の眼目なのである。

立役(男性役)舞踊表現の宝庫。

今から約135年前、明治5年(1872)の初演。
最初に振りを付けたのは初代の花柳寿輔。
現行演出は、明治34年のものだそうで、その時に踊ったのが、
2代目市川段四郎(初代市川猿之助)と、
4代目市川染五郎(7代目松本幸四郎=3代目藤間勘右衞門)。
藤間流にはこの時に伝わったらしい。

かつて、花柳流の「連獅子」を踊る機会があったが、
単なる振りの違いと言うだけでなく、
藤間と花柳の流派の違いを経験して、とても興味深かった。

到達点は同じでもアプローチの仕方が違う、といったような感じだった。R
by rankoh-f | 2008-06-17 19:48 | 一言解説