藤間蘭黄  日本舞踊の世界

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2008年 10月 23日 ( 1 )

展覧会の絵

モデスト・ムソルグスキーの「展覧会の絵」。

プロムナードから始まり、異なる10のシーンを描くピアノ組曲である。
ラヴェル編曲による管弦楽で有名なこの曲を踊る。
と言っても、オーケストラ曲でもピアノ曲でもなく、邦楽に編曲した言わば長唄組曲である。
来月18日に開催する14回目のリサイタル。
ここで発表する新作に今年はこの曲を選んだ。

ピアノ曲をどう踊るか…

日本舞踊には様々な表現がある。
特に伝統的な、歌舞伎の「仕草」に由来する「振りごと」は、演劇的な要素も多く含み、いかにその「役」になるかが大事である。
しかも、我々現代の日本舞踊家が、歌舞伎と異なる「日本舞踊」の特徴としてしばしば提示する「素踊り」では、一つの曲の中で一人の踊り手が様々な人物を踊り分け、情景を描く。

今回、ここに着目した。

ムソルグスキーの楽曲を聴いていると、日本の四季の風景が見えてくる。
春の雪解け、若草に舞遊ぶ蝶。
満開の桜、乱れ散る花吹雪。
蝉時雨。夏の物憂い午後。
紅葉、秋草、仲秋の月。
冬枯れの野原に舞う風花。
吹雪。銀世界。

さらにここに様々な心情を重ねてみた。
春は何かが始まる期待。
夏ははしゃぐ気持ちと熱く燃える情熱。
秋は成就の充実感と成し得ぬ悔恨。
冬は静かな達観。

こうした心の動きを四季の移ろいに乗せ、色々な人物、風景を「素踊り」で踊る。
日本舞踊の技術を駆使して表現する。

挑戦である。R
by rankoh-f | 2008-10-23 09:33