藤間蘭黄  日本舞踊の世界

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2013年 10月 26日 ( 1 )

都鳥2

哀愁をも帯びた繊細な前弾から、からっと明るい曲調になり踊り手の登場となる。
「江戸」の雰囲気を纏った人物。しかし語り手は江戸にはいない。
「〽徳川の世の盛り」という歌詞が示す通り、作者はちょっと前の江戸時代を「徳川の世」と言う明治人なのである。
隅田川に浮かべた船の上で行われる茶事の描写、
酒に砕けてからのさんざめき、
深川の荷揚げ人足さえも粋なパフォーマーとなる。
山谷堀へと向かう遊里の客の浮き立つ心、
遊女と逢引する間夫(恋人)など。
「〽その思い出の懐かしき」と最後の歌詞にあるように、明治人がちょっと前の江戸を思い出し、
哀愁に浸る作品なのである。
この「哀愁に浸る」は平安の昔からの「あはれ」にも通じる日本人の心の動きなのだと思う。R

蘭黄の会。10月31日19時から国立小劇場。全指定席7000円。
http://www.geocities.jp/rankoh_f/2013omote.html
by rankoh-f | 2013-10-26 23:35 | 一言解説